◎入稿前に確認!データ入稿に関する注意点。

データ入稿の際何かトラブルがあった場合、データを修正、再入稿という手順を踏まねばならず、進行の遅れや、トラブルの原因となってしまいます。
ここではデータ入稿時の不具合を紹介し、改善策を提示させて頂きます。
①輪転サイズとその絵柄サイズ。
輪転機でチラシなどの印刷物を刷る場合、その多くが用紙を輪転機で断裁する『輪転断裁』という方法がとられます。
輪転断裁では、B4ならば4等分、B3ならば2等分といった形で断裁します。よって、データにはトンボ、塗り足しは必要ありません。
またデータ作成の際気をつけて頂きたいが、印刷可能範囲です。
- ◎輪転用紙サイズと印刷可能サイズ ※絵柄は印刷可能サイズを参考に設定して下さい。
- B4=273㎜×382.5㎜ → B4印刷可能サイズ=257㎜×370㎜
- B3=382.5㎜×545㎜ → B3印刷可能サイズ=370㎜×529㎜
- B2=765㎜×545㎜ → B2印刷可能サイズ=530㎜×749㎜
- D4=273㎜×406.5㎜ → D4印刷可能サイズ=257㎜×390㎜
- D3=406.5㎜×545㎜ → D3印刷可能サイズ=390㎜×529㎜
- D2=813㎜×545㎜ → D2印刷可能サイズ=530㎜×797㎜
輪転断裁の場合、用紙サイズ全体に印刷出来るのではなく、その内側周囲6〜8㎜程度印刷できない白場という領域があります。データ制作の際は、輪転サイズのアートボードを作り、その中心に絵柄を入れるようにしてください。絵柄が中心に入っていない場合、サイズが正しくても印刷可能領域からはみ出してしまう恐れがあります。※B3、B2、D3、D2は、縦位置→左右、横位置→天地のみ白場なしの印刷が可能ですので、希望される場合はご相談下さい。(なお天地は必ず白場が入ってしまいます。)
②輪転機でのB5折り
輪転機でのB5折りをご希望される場合、必ず必要なのは表1(トップ面)の指定です。
また、事前にご了承して頂きたい点として、B3サイズ、D3サイズのB5折りの場合、左上、右上部分を表1指定されますと、クワエの位置(紙を搬送する際、爪と言われる物が当たる部分)に当たってしまうため、針穴が出来てしまいます。
B2、D2縦サイズでのB5折りするご希望される場合、表1として指定できるのは左上、右下部分、B2、D2横サイズの場合は右上、左下部分になります。

③断裁をご希望される際の注意点
断裁をご希望される場合には、トンボと塗り足しが必要になります。

塗り足しがない場合、断裁の際に生じるズレが原因となり、絵柄の外側が白として残ってしまう場合があります。
また、文字などが仕上がりサイズギリギリの位置に配置されている場合、断裁のズレで欠けてしまう恐れがあります。
こういった事態を防ぐため、塗り足しを付ける、文字など重要な部分は3㎜内側に配置するという事を徹底して頂くようお願い致します。
④タブロイド判、ブランケット判を入稿する際の注意点
タブロイド判は406.5㎜×545㎜の用紙サイズを二つ折りにしたもので、273㎜×406.5㎜の仕上りサイズのもの、ブランケット判は545㎜×813㎜の用紙サイズを二つ折りにしたもので、406.5㎜×545㎜の仕上りサイズのものです。
これらは、新聞のような印刷物に使用される事が多く、綴じ方向、ページを指定して頂く必要があります。

開き方により右綴じ、左綴じがあり、刷版をする際の面付けが変わってくるため、綴じ方向、ページを必ず指定して下さい。
⑤Illustratorでのオーバープリント設定について
オーバープリントとはある色の上に色を重ねて印刷する事を言います。例えば文字の黒をオーバープリントでのせる事により、見当のズレなどで生じてしまう文字の周りの下地の白を完全に消す事が出来ます。
Illustratorでは、白もオーバープリント設定することが出来るため、本来白く抜けるはずの部分が、透明なものとして処理されてしまい文字が消えてしまうという現象が起きます。

白い文字、下地より薄い文字の部分がオーバープリント設定になっていないかチェックした上で入稿して下さい。意図しないオーバープリントにより、文字やオブジェクトが抜けてしまっていた場合、重大なトラブルにつながる事があるため、厳重な注意が必要です。
以上が、比較的多く見られるトラブルです。印刷がスムーズに進むようにチェックして頂けたら幸いです!